梅雨が明ければ、夏本番。少し外を歩いただけでも、汗がじっとりにじむ季節になりました。汗をかくと気になるのが、そのにおい。実は汗そのものは無臭に近い。では、「汗臭い」の正体は何か。
皮膚ガスとは、人間の皮膚全体から絶えず出ている微量のガスのこと。300種類以上の物質からなり、汗が皮膚についたままだと、汗に含まれる脂質や乳酸などの成分を、皮膚にすみ着く常在菌が分解し、不快なにおいを放つ物質がたくさん作られてしまうそうです。
蒸れた足裏のにおいの元となる「イソ吉草酸(きっそうさん)」や、30~40代の男性特有のミドル脂臭の元となる「ジアセチル」など。
また、夏は紫外線が強い。皮脂が酸化することで、中高年の加齢臭の原因となる物質も増えやすい。さらに夏バテなどで疲労がたまると、血液中にアンモニアが増えて皮膚からしみ出してきます。
こうしたさまざまな要因をひっくるめて、私たちは「汗臭い」と感じています。
においは、人によって微妙に違い、食生活や環境、遺伝的な要因にも左右されます。
においを抑えるにはどうしたらいいのでしょうか。
朝に軽いウオーキングなどで汗をかき、シャワーを浴びること。普段からたくさん汗をかく人のほうが体臭は弱まるといいます。汗腺が鍛えられ、ミネラルがろ過されたサラサラの汗が作られるそうです。
逆にエアコンのきいた部屋にいることが多い人などは、汗腺の機能が衰え、ミネラル分の多いベトベトした汗をかきやすくなり、常在菌が活性化し、においの原因物質がたくさん作られてしまうため、要注意だそうです。
汗をかいたら、ウエットシートですぐに拭き取るのが有効。制汗スプレーも効果がありますが、汗が出るのを止めてしまうため、体温調節が難しくなります。熱中症にもつながるため、一時的な使用にとどめたほうが良いそうです。